Autologous Bilayered Adipose-Derived Mesenchymal Cell-Gelatin Sheets Reconstruct Ureters in Rabbits
Tissue Engineering Part A
N. Ogawa, T. Imamura, T Minagawa, T. Ogawa, O. Ishizuka
https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/ten.TEA.2022.0087
背景
本グループの先生方は一貫して泌尿器の再生治療をご研究されています。これまで細胞懸濁液や細胞シートを用いた細胞移植法を検討され、特に細胞シートの高い治癒効果を見出されました。
しかし細胞シートは薄く柔らかいためハンドリングしにくいことが課題でした。移植部位にシートを貼ることはできますが、例えば欠損部に詰める、管構造に巻くといった手技は難しいとのことでした。
論文での使用方法
そこで細胞シートの移植担体としてGenocelをご使用いただきました。Genocelは濡れても型崩れしにくい特徴を持っています。細胞シートをGenocelに接着させることで、シート形状を維持させながらピンセットでつまむ、管に巻くといったことが可能になりました。
論文ではウサギの尿管再生を検討され、下図のような手技で管構造への細胞シート移植を実現されました。
結果
・移植3日後の時点で、細胞シートの細胞がGenocel層に遊走していました(論文Fig. 2)。移植4週後では、Genocelは分解吸収され断片化しておりましたが、その層内にレシピエント由来の細胞が確認できました(論文Fig. 5)。このことより、Genocelは移植担体のみならず、分解吸収性の足場としても機能したことがわかりました。
・移植4週後では、再生した尿管は大きな蛇行や狭窄がなく、また内腔の上皮細胞層もきれいに形成していました(論文Fig. 3)。
・再生した尿管には、細胞シート由来およびレシピエント由来の、平滑筋マーカー陽性細胞が存在していました(論文Fig. 6)。
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