Genocelと脂肪組織由来幹細胞を併用した糖尿病治療法

いつもお世話になっております。

京都医療設計の紺屋本(コヤモト)です。

今回は、Genocel®の応用研究が公開されましたので、その論文をご紹介いたします。

A Gelatin Hydrogel Nonwoven Fabric Combined With Adipose Tissue–Derived Stem Cells Enhances Subcutaneous Islet Engraftment

Ryusuke Saito et al., Cell Transplantation, vol. 33, 1-16, 2024

https://journals.sagepub.com/doi/full/10.1177/09636897241251621

背景

  以前のメールマガジン(Vol.25)にて、皮下膵島移植前にゼラチンハイドロゲル不織

  布(GHNF)を移植部位へ前留置することで、移植結果を著しく改善できることをご 

  紹介しました。当該論文では、移植結果の改善にはECM産生と種々の成長因子によ

  る膵島機能の保護が寄与しており、新生血管はさほど増えていないことが言及されて

  います。

 

目的:

  抗アポトーシス性サイトカインや血管新生性サイトカインを分泌して血管再生プロ

  セスを改善することが報告されている脂肪組織由来幹細胞(ADSCs)とGHNFを組

  み合わせることで、膵島移植部位により効果的に血管を新生し、皮下膵島移植の移

  植結果を改善できるかを確認しました。

 

方法

  2枚のGHNFにADSCsを5.0×10⁵ cellsずつ播種し、37℃、5% CO₂下で一晩インキュ  

  ベートしました。2枚のADSCs播種済みGHNFでシリコンスペーサーを挟み、マウス

  皮下に前留置し(6週間前)、シリコンスペーサーを除去後の空いたスペースに、膵島

  180個相当を移植しました。

 

結果:

 ・ADSCs播種済みGHNFを前留置した群(AG group)は、シリコンスペーサーのみを

  前留置した群(Silicone group)や肝門脈に膵島を投与した群(IPO group)と比較

  して、血糖値変化が良化しました。

 ・AG groupの糖尿病治癒率; 72.7%が、他の群(GHNFのみを前留置した群(GHNF

  group);40.0%、Silicone; 0%、IPO; 40.0%)と比較して最も高い値となりまし

  た。

 ・vWF陽性血管数は、AG Groupが他の群と比較して顕著に多くなりました。

 ・移植したADSCsは、移植6週間後には残存していませんでした。

 ・炎症メディエーターはSilicone group(対照群)に比べてAG group、GHNF groupで

  低下する傾向が確認されました。

 

◇◇展示会 出展情報◇◇

 

☆7/27(土) 

 京都府立医科大学河原町キャンパスで開催されます 

 「日本バイオマテリアル学会関西ブロック 第19回若手研究発表会」にて

      企業展示致します。

                                         https://www.biomaterial-kansai.net/index.html

 

 ◆会期:会期:2024年7月27日(土)

 ◆会場:京都府立医科大学河原町キャンパス 基礎医学学舎1階・2階

    京都府京都市上京区河原町通広小路上る梶井町465番地

 

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